スポーツで人を救うことはできない

ワールドカップが始まる前に、ワールドカップ開催国で貧困者によるワールドカップ開催反対デモが続いている。サッカーに莫大なお金を使うのなら、インフラや保障制度に力を入れるべきだという。

このニュースを知り、やはりスポーツでは人を救えないのだと感じる。たしかに、スポーツは夢を与えてくれる。どんなに貧しくても、がんばれば有名になり大金を手にするチャンスがある。自分の人生が大きく変えられるかもしれない。

けれども、スポーツで人々の貧しさは救えない。みなに一時の夢を与えてくれるが、みなが豊かになるわけではない。スポーツは興奮や感動を与えてくれる。けれども、生きる知恵を教えてはくれない。

そうなると、多くの小さい子どもたちが憧れるスポーツ選手というのは、本当に限られたフィールドの世界でしか活躍できない。実は、人々を豊かにさせているのはフィールド外の多くの人々なのかもしれない。

メディアでは、スポーツ選手が大きく取り上げられるため、どうしてもそちらのほうへ意識がいってしまうが、カメラの外の世界を見なければいけない。本当に人々の豊かさを願うのなら、やるべきことは他にある。

スポーツだけでなく、他の華やかそうに見える業界も同じように、国という大きなスケールで考えた場合、娯楽ではない本当の意味での知恵くらべが必要になる。そして、人々に語り継がれるのは、そのような真の開拓者たちだ。

私も同じようにスポーツ選手に憧れることもある。有名になり、大金を稼ぐことは、スゴいことだし素晴らしいことだ。けれども、それだけでは周りは幸せになれない。ということは、本当の意味での自分の幸せをつかめないということだ。

しかし、ワールドカップが開催すれば、反対していた人たちもゲームを見るだろう。一時の苦しさを忘れて、興奮と感動に酔いしれたいのだから。